『画楽百景』昨日行って来ました。
あらましはルカさんがすでに書かれたので、補足程度の事しか書けませんです。
『自画像』のフレームは赤いシンプルな木製です(今回の原画展とおなじタイプの
フレームだと思います)。赤と言っても暗いマホガニーの様な沈んだ落着きのある
色合いでした。前回の原画展の時は黒の金属性フレームだったと記憶していたので、
あぁこの展示会用にフレーム変えたんだなーと思いました。こちらのフレームのほ
うが絵の暗い赤と響き合っていて、私は好きです。
絵の左の壁の色紙には小さくあのぐるぐるサインと2004年の日付け、「こっこ」と
小さい青い消しゴム印が押してあり、色紙はアクリル板で壁に直接固定してありま
した。
他の絵を見渡しても『自画像』を出展しているのはこっこちゃんだけでした。また
重く暗い色調と緊張感はあの会場では異質な存在だった様に思います。
今日の朝日新聞のコラムに『画楽百景』の紹介が掲載されていましたが、Coccoの名
は紹介されていませんでした(涙)
(ヘンプ 9月15日午前1時28分)
ヘンプさんの別記事でのコメントも付け加えさせていただきました【管理者】
展覧会を見て、wakakusaさんとほぼ同じ事を思いましたです。
私もいわゆる作家性と呼べるほどの内容を伴った作品は僅かだった様に思いました。
もちろん、そんなものを求めてないですが。 そして、そうwakakusaさんがおっしゃ
る通りこっこの自画像だけは圧倒的な抵抗力で他者を寄せつけない傑出した画力が
ありました。 何故あの絵がポツンとひとつだけ離れてあそこに展示してあったのか
も分かったような気がします。 多分強すぎるのです。他の作品の中に置くとあの絵
が回りの絵を制圧してしまう。 キュレーターの方も苦慮されたことと思います。
傑出した画力と書きましたが、完全無欠と言う訳ではありません。むしろ欠点だら
けかもしれない。 デッサン力はあるとは言い難いし、(ただし、『卯の花月夜』は
驚くほど上達してると思います)恐らく計画より顔が大きくなってしまったと思わ
れるし、色面構成も・・・と、こっこが普通の画学生だったらアドバイスかも知れ
ません(笑) しかし、そんな欠点がほんの瑣細な事になってをふっ飛んでしまう程
の力があの絵にはあります。
眼です、眼の表現が尋常でなく凄い。眼だけがまるで生の眼球を抉ってそこに貼付
けたように異様に生々しい。 好奇心で暗い瞳の奥に何があるのか覗き込むと、たち
まち引き込まれて時間の経過すら忘れてしまう。 言葉では説明するととても陳腐に
なってウソの様ですが、本当に見れば見る程引きずり込まれていて、気付くと涙ぐ
んでるんですよワケも無く。
この絵は自画像です。イメージしてください、自画像であると云う事はこっこ自身
が鏡を見て描いていると云う事です。鏡の中の自分の瞳の奥にあるものを見詰める
こっこの視線がそのままこの絵の中にあります。彼女はこうして眼球の奥の暗闇を
凝視している、そこにある何かを見詰めている、この絵には鏡の様にこっこの視線
を強制的に私に同化してしまう力がある。
これ程の強い呪力(としか言い様が無い、だって説明できないんだよ絵の勉強ン十
年もやってるのに)を持った絵はあの会場には無かった、と言うか普通の展覧会で
もあんな絵はめったに見られないんじゃないでしょうか。 絵の前から立ち去るのに
苦労しました。会場出口まで行ってまた引き返したり、もう何度も。
>(柴草玲さんの作品も良かった。と言うと結局贔屓目かよってなっちゃいますかね?)
う〜ん、柴草さんのは私的にはちょっと…
(ヘンプ 9月20日午前2時04分)
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